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新型コロナ感染状況(8月19日まで)と政府の責任 [コロナについて]

 日本の新型コロナの感染は、第7波に入って毎日20万人前後の新規感染者が出ており、世界の中で週間感染者数か最も多い国になっています。過去最大の感染者数となり、また救急車が来ても搬送先が見つからない事案が全国で毎週6500件ほどでており、医療崩壊となっていますが、政府が何の対策もせず、メディアも「3年ぶりの規制のない夏休み、お盆だ」と市民をあおってきたことにより、第7波が収束する見込みは全く見えません。
2022-8-19blog.jpg現在、新規感染者数は左図のように高止まりに見えますが、これは検査の制限やお盆期間の検査数の減少によるものと思われます。この図の縦軸や横軸の最大感染者数が30万人になっていますが、昨年6月のブログで示しました第4波までの解析では各軸の最大値は8000人でしたので、この1年間の感染拡大の大きさに驚かされます。
 この2.5年間で最悪の感染状況の中で、政府・分科会は「感染者の全数把握を止め、定点観測に変える方向」というとんでもないニュースが飛び込んできました。感染者数の正確な把握は、感染症対策の基本であり、それを止めると言うことは感染症対策をしないという「初期のスエーデン方式」になることを意味します。テレビニュースで見ました医師の説明では、感染者を診る時間よりもデータ入力に時間がかかると言うことでした。厚生労働省のHER-SYSには、緊急で必要なデータと病歴など個人情報を同列で記入することになっており、「その入力のために医師に大きな負担を掛けているのが医療逼迫の原因である」として、全数把握をを止めるということらしいですが、その論理展開は全く理解できません。情報入力の担当者を別に置くとか、緊急で必要な情報とそうでないものを分けるなどいくらでも効率的な方法は考えられるでしょう。そもそもこの状況になったのは、感染が広がらない対策をしてこなかったからであり、まずその政策を変更することが先ではないでしょうか。
 現状で私たちがすべきことは、他の人との直接的な接触は極力避け、接触しなければならないときも高性能のマスクを着用し、十分距離を取ること、また感染の可能性のある行動をした場合は検査し、感染が判明すれば1週間ほど自宅待機をすることです。このことが可能となるように無料の検査場を整備することは政府・自治体の責任だと思います。厚生労働省のホームページによれば、これだけ感染者数が増えていてもPCR検査の能力は1日約42万人であり、これは必要数の1/100にしかなっていません。

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再び本末転倒な提案がーコロナ対策の失敗 [コロナについて]

この1週間の感染者数の平均が20万人/日を越えています。政府は、経済を回すために何も対策を取っていませんが、感染者が増加したために、郵便局の閉鎖、福岡大学病院の病棟の閉鎖、空きベッドがあっても医師や看護師が勤務できない、JR九州では特急の間引き運転等々、感染拡大で社会活動が窮地に追いやられています。プロ野球でも2週間ほど試合のできないチームがでたり、高校野球の日程変更が余儀なくされていますが、これらの事態は政府のコロナ対策の失敗と言わざるを得ません。さらに、感染者が増加して医療体制が崩壊していますが、それに対して出された専門家有志の提言は驚くべきものでした。コロナの対策の難しさは、「発症前の感染者や無症状のままの感染者が感染源となること」ですので、発症した人だけを対象とする前世紀の対策ではまん延を防げません。発症した感染者数とその中の感染経路不明者(大部分が無症状者からの感染)の割合から、発症率や市中の感染者数を見積もることが理論的に示されています。従いまして、感染者の全数把握は極めて重要です。ところが、昨日出された提言では、全数把握はしない方向で検討すべき、少し熱が出たくらいなら発熱外来に来ないでほしいなどであり、濃厚接触者の特定は行わない自治体も出てきています。また、厚労省のHPによればPCR 検査の能力はいまだに41万回あまりと、この1年間全く増加していません。感染者が増えて、保健所機能が維持できなくなるなら、臨時的にも人員を増やすことや業務の効率の良い電子化などを工夫することを提言すべきではないでしょうか。そもそも感染者数が爆発的に増加するような政策が根本原因ですから、科学的根拠を持って、その政策を改めさせる提言はなぜできないのでしょうか。

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コロナ新規感染者20万人超の爆発! [コロナについて]

日本の新型コロナ感染症の新規感染者の数が昨日200870人になり、20万人を超えました。1昨年来、「日本人はかかりにくい」「日本の対策は機能している」という発言が、しばしばテレビなどで見られましたが、そうではないことがよく分かります。注意しなければならないのは、市中にいる感染力を持つ発症前の感染者と無症状感染者の総数は、日毎陽性者の10倍以上であるということです。従って、感染者数が増加に転じたら、個々の市民が他の人との接触をできるだけ避ける行動を取ることと共に、発症した感染者だけでなく、症状を示していない感染者をPCR検査で見つけ出し、検査で陰性となるまで隔離(自宅待機)することが重要な対策となります。ところが政府や一部自治体の現時点での対策は、「行動制限は求めない」「発症していない人の検査は行わない」などと全く逆行しています。すでに、何度か述べていますが、「少人数、短時間、よく知っている人とのみ」の会合でも、感染者がいれば、感染は広がります。さらに、現在のワクチンは、変異体の感染防止にはほとんど効果がないようですから、ワクチン接種者も行動制限を緩めるべきではありません。過去最大の新規感染者数になっている中で、行動制限を求めない政府の方針から、「3年ぶりの制限のない夏」の人出による感染拡大が危惧されます。
IS22-7-22.png 市販の治療薬が開発されない限り、感染者が増えると医療体制が逼迫することになり、また強い後遺症で社会活動ができなくなる人が増加して、多大な社会的損失が生じます。政府の専門家会議や分科会の人々は、この2年間何をやってきたのでしょうか。
左の図に、7月22日までの感染状況を示します。増加率は1月の初期に比べてやや小さいですが、1月後半よりは大きくなっており、爆発的に増加していることが分かります。

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日本の新型コロナ感染状況7月6日 [コロナについて]

すでに新聞・テレビなどで報道されていますが、日本のCOVID-19は第6波が十分収まらないところでの行動制限緩和が行われて、次の波に向かっているように見えます。左に示します感染状況図を見ますと、(5月から6月にかJapanStatus2022-7-06.pngけての小さな山を波と見なさないことにします)第7派が始まっていると考えられます。これは、政府の行動制限緩和政策、ワクチンで感染が防げるという誤った情報の発信、誤ったコロナ対策および相変わらずの貧弱な検査体制によるところが多いと思います。実際、新規感染者の中のワクチン未接種者の割合は、全体の未接種者の割合と同程度のようで、現在のワクチンは感染防止に役立っていないようです。テレビでの専門家の最近の発言では、「重症化予防効果」だけが強調されています。このまま延長しますと7月23日に175000人になります。
Infec.vs.tFor_q'ssmall.png5月3日及び5月4日のブログに書きましたように、ウイルスが自滅しないならば、無症状の感染者に対する対策を行わない限り感染をコントロールできません。
  現在、無症状者を分けた感染症の新しいコンパートメントモデルの研究をしています。その予備的計算の結果によりますと、左中の図に示しますように発症以前の感染者と無症状感染者に対するPCR検査による隔離率 q により、市中の感染力をもつ感染者数の割合(図の縦軸:横軸は時間)は大きく変わります。q=0 は対策なし、q=0.1は10日に1度の検査、q=0.2は5日に1度の検査を意味します。当然のことながらこの隔離率が大きいほど感染は抑えられます。中国で行われているゼロコロナ政策では、1人でも感染者が出た地域を封鎖して、無症状者を含む感染者を徹底的に隔離する措置がとられています。日本はウィズコロナ政策ですが、その中
Infec.vs.tFor_b's.pngでも人々の接触機会を減らす対策と、発症以前の感染者および無症状感染者に対する対策を行わない限り、感染を収束させることはできないと思います。
  発症以前の感染者および無症状感染者に対する対策をせず、行動制限のみの対策が行われた場合の結果も示しておきます。左下図は、行動制限がない場合の感染係数がβ=0.4 を基準にして、行動制限による接触機会の減少が25% の場合(β=0.3)および50%の場合(β=0.2)について、市中の感染力を持つ感染者数の時間変化を示したものです。これらの図を比較すれば、無症状者の検査・隔離が、行動制限よりも感染者数を減らす効果が大きいことが分かります。

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市中感染者数と感染経路不明者の割合の関係を論じた論文が公開 [コロナについて]

市中感染者数と感染経路不明者の割合を論じた論文"Estimation of the Onset Ratio and the Number of Asymptomatic Patients of COVID-19 from the Proportion of Untraceable Patients"がEpidemiology and Public Health Research(Open Access Journal) で公開されました。
4人の査読者により、厳格に査読されました。5月3日のブログで述べた内容は、この論文の考え方に基づいています。論文は、
からもダウンロードできます。

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4月末までの感染状況と新規感染者数が一定になる条件 [コロナについて]

4月初旬からの新規感染者数の増加は、すぐ減少に転じ、大きな波にはならなかったようです。感染状況図の小さなループを波とみるかどうかは今後の変化次第になります。またこの解析は、連休中のデータは不正確と思われますから、4月30日までのデータを用いています。
japan~4-30-2022.jpg この2週間ほど新規感染者数はほぼ横ばいになっていましたが、それはウイルスの特徴と人々の行動がうまくバランスしていたことを意味します。ある人が感染し、感染力を持つ発症以前の日数を m とします。ウイルスの発症確率を x とすると、この人は(1-x) の確率で無症状のまま感染させ、その感染力がなくなるまでの日数を n とします。この人が感染力を持つ間に1日あたりβ人に感染させるとしますと,この人は全期間に
  β*(m+(1-x)n) 人
に感染させます。この人数が1人の時に感染者数は定常状態となり、1以下の時に減少、1以上の時に増加します。つまりこの量が、実効再生産数の役割をします。(普通のSIRモデルでは、β*回復するまでの日数が実効再生産数と定義されます。) m~4日、n~6日、x~0.75 としますと、β~0.18 が分岐点になります。どのパラメータもウイルスの特性によりますが、さらにβは人々の感染対策(他の人との接触頻度、マスク着用など)で大きく変化します。この条件は感染者数が多くても少なくても成り立ちますから、感染者ができるだけ少ない状態でこの定常状態となる、あるいはさらに減少させる対策が必要です。今週の連休では、何の規制も行われていませんから、連休後の状況を注視する必要があります。

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日本は第7波突入? [コロナについて]

3月末までの感染状況の解析によると、下図に示すように3月25日から増減率が正に転じ、第7波に入っています。どれだけ大きくなるか、あるいは無視できるほどの山で終わるかは、人々の行動と政府・各自治体の対策によりますが、ワクチンの感染予防効果は限定的であり、現時点では感染を抑制する要因はほとんどありません。日本では、第5波を除き、各波の最後の感染者数ははじめの感染者数より大きく、特に第6波の最後の感染者数は45000人を超えており、これまでのピークよりも多い状態で第7波に入っていますので、
Japan6wave.png感染爆発が危惧されます。先週の社会物理学の研究会で報告しましたように、市中にいる感染力を持つ感染者数は新規感染者数の5~10倍くらいですから、この市中感染者に対する対策、例えばアメリカで始まっているようなPCR検査陽性者に治療薬を処方することなど、を導入しない限り、またウイルスが自滅しない限り、感染は収まりません。

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第6波感染状況(3月5日) [コロナについて]

日本全国と東京都のCOVID-19第6波感染状況です。
Japan6thwave.png
   Toky6thwave.png
 
 
どちらのデータも2月初旬にピークを超え、減少に転じています。この減少は、検査数の制限による効果も大きく、3月に入って、減衰率が小さくなっています。重点措置が撤廃されたところもあり、またこれから人と人との接触が増える時期と観光シーズンとなりますから、第7波になることが危惧されます。
これまでも第5波の時以外いつも感染者数が十分下がらないところで様々な制限の緩和をする政策が採られました。昨日時点の東京都は、新規感染者が11000人ほど、感染経路不明者数は6755人(いずれも7日間平均東京都のデータ)ですから、経路不明者の割合は61%になります。従っておよそ新規感染者の7.7倍=84700人の感染力を持つ感染者が市中にいることになります。この人達をコントロールしない限り、感染は収まりません。

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7日間移動平均の落とし穴 [コロナについて]

COVID-19の日毎陽性者数などの実データの解析に、7日間移動平均が良く用いられ、その動向から政策が決められています。これは、曜日によるデータの変動を平均化してみるために用いられている手段ですが、この手法が信頼できるのは実データが平均的に増加あるいは減少していないときのみです。実データが平均的に増加しているとき、あるいは減少しているときは、最大値が小さく、最小値が大きくなると共に、その傾向は3.5日遅れて現れますので、7日間移動平均に基づく政策判断は遅れることになり、ひどい場合は判断を誤ることになります。例えば下の左図の沖縄県の2月17日までの感染状況の実データは、下げ止まりの状態からやや増加に転じているように見えますが、7日間移動平均はなお減少しているように見えます。右の図は、振動する実データのモデルでこのことを示したものです。実データの周期は31.4日で、7日間移動平均も同じ周期ですが、ピークの位置、最小となる位置が3.5日遅く現れなす。特に最小点付近では実データが増加に転じていても、7日間移動平均はなお減少している期間があることに注意する必要があります。7日間移動平均を常に3.5日戻して考えれば良いのですが、政策決定される方々が正しく判断されることを望みます。
 沖縄ー2-17.png  7MAVE-model.png

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コロナ第6波ピークか(2月17日)? [コロナについて]

 日々報告される新規感染者数の動向を見ていますと、第6波も一見ピークを越えたように見えます。しかし公開されていますデータを詳しく見ますと、それほど楽観できないことが分かります。
japan2-17.png 左図の2月17日までの全国の感染者数(第5、6波のみを示す)は、2月7日をピークに下がる傾向にあるように見えます。しかし右図に示す減少率の減り方が極めて少なく、高止まりの傾向にあると考えられます。ここで合理的な対策を導入しないで、規制が緩和されると再度上昇に転じることが危惧されます。いち早く第6波が落ち着いた沖縄県の状況は、明確に下げ止まりの状態に有り、規制が緩和されましたから再度上昇に転じることが危惧されます。
 データの中で気になることの一つは、感染者が多い状況の中でのPCR検査数の減少です。日本全国のPCR検査数は、2月初旬に25万件以上あった検査数が2月17日には206304人に減少しています。全国の陽性率のデータが簡単には見つからなかったのですが、単純に感染者数を検査数で割ると2月27日で46% となり、東京都の発表では東京都の陽性率は40%(1月はじめは1%)と極めて高く、ともに市中に感染者があふれていることを示しています。これは内閣府の「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金における 「検査促進枠」の取扱いについて 」という通達(令和4年1月27 日)に地方自治体が従っているからだと思われますが、出すべき通達は「検査薬品、装置の増産を求める」ことではないでしょうか。
 次に気になる点は、発症率や市中感染者数を見積もるのに必要な、新規感染者の内の感染経路不明者の割合が、最近は全国のデータとして報告されていないことです。東京都のデータを見ることにしますと、感染経路不明者の割合は60.7%です。1月11日のブログに示した式によると、新規感染者数のおよそ10倍、つまり東京都にはおよそ10数万人の無症状感染者がいることになります。重点措置の継続ではなく、合理的な対策の強化が求められます。
 日本のコロナ医療は、「発症を待って治療する」という前世紀のものです。「検査で感染者を見つけて、隔離して感染を閉じ込める」という今世紀の取り組みを阻害してきた原因は、厚生労働省の医系技官などがプロパガンダまで行って、PCR検査の拡充を阻止してきたことに尽きます。諸外国は検査とワクチンによってコロナ禍を乗り切る方向になりつつあります。世界最下位レベルの検査体制の日本ではその方向に舵を切ることができませんが、検査を抑制している厚生労働省の責任は極めて重いと思います。

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