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令和5年度科研費採択 [研究]

2023年度科学研究費補助金 研究成果公開促進費(学術図書)に、「エッセンシャル統計力学」の電子図書化計画が採択されました。
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 「エッセンシャル統計力学」(裳華房)は、バーチャルラボラトリーの付随した「初等統計力学」の教科書として、広く用いられています。タブレット端末でも閲読が可能なように、バーチャルラボラトリーをJava Script で再構築することを中心に、ICT教育にふさわしい電子図書化を進めています。本書のコンセプト(インタラクティブなバーチャルボラトリーと外部情報へのリンク)は、ICT時代の初等、中等、高等教育における理系図書の標準型となるものです。7月初旬には公開できるよう、準備を進めています。
なお、コロナ禍で研究期間が延長されていた科研費(基盤研究C)は、今年度までとなります。

ゴムの異常な熱・力学効果に関する論文が公開 [研究]

23JPSJ.jpg風船などのゴムを急激に引っ張ると温度が上がることはよく知られている。例えば、ゴム風船の両端を持ち、あごに当てると少し冷たく感じる(室温の方が体温より低い)が、そのままゴムを急に引っ張ると暖まることがわかる。また伸ばした状態であごに当て、急に締めると、温度が下がることが確かめられる。これを、ゴムの熱・力学効果という。
最近、阪大の松尾名誉教授らが精密な測定を行い、ゴムを急に引っ張った初期過程では温度が降下することを発見した。この異常な熱・力学効果を単純なゴムの折れ尺モデルで説明した。折れ尺の結合部分に、折れ曲がる方がエネルギーが低いという特徴があれば、伸張初期に温度降下が生じることを示した。単純なモデルであるが、実験結果をフィットできる。

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コロナに関する新しい論文がSpringer Nature で公開 [研究]

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 パンデミックCOVID-19 に対する新しいコンパートメントモデルの論文がSpringer Nature(Scientific Reports: 電子版Nature)に掲載されました。市民を、未感染者(S),発症前感染者(P),無症状感染者(A),隔離感染者(Q)と回復者(R)の五つのコンパートメントに分けるSPAQRモデルです。感染経路不明者の割合から、発症率や市中感染者の割合などを求めることができるモデルで、今後COVID-19の標準的なモデルになると期待しています。
 日本の現状は、第8波以後新規感染者がかなり低いレベルで推移していますが、この状況で無症状感染者を徹底的に見つけ出せば、第9波には至らないと思われます。また日本の人口のかなりの割合で感染があったと考えられますので、集団免疫がなりたっていると想像できますが、その確証を得るために、全国的な抗体保持率の調査が望まれます。

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新しいランダムウォークの論文が公開 [研究]

 新しいランダムウォークの論文「Variable range random walk」が公開されました。ランダムウォークは大変汎用性の高い動的過程で、物理現象だけでなく社会現象、経済現象、情報拡散の解析などに幅広く応用されています。通常ランダムウォークは、一定の歩幅で格子上あるいは連続空間内を移動するものを考え、平均2乗変位や元に戻るまでの時間などが興味の中心となります。歩く歩幅に分布がある場合なども研究されています。
 最近のFireChat やBridgefy などのソフトウエアでは、基地局を通さずに、近くのスマホのみ介して情報が伝達されます。つまり、近隣にあるスマホ同士が互いにつながり、大きなネットワーク(メッシュネットワーク)となり、その上を情報が伝達されます。情報をランダムウォークするものと見ますと、様々な歩幅のランダムウォークをすることになります。このランダムウォークは、スマホが固定されていますと、ホッピング伝導で用いられたものと同様の過程ですが、その場合に様々な伝達能力の距離依存性について、拡散係数の特徴を明らかにしました。今後、より現実の系に近い形に一般化して、研究する予定です。
または
よりダウンロードできます。

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Adam-Gibbs 関係式を再導出した論文が掲載 [研究]

Adam-Gibbs 関係式(1965)は、非平衡系における構造混和時間と熱力学量である構造エントロピーとを関係づける式で、この分野では最もよく用いられる関係式の一つです。しかし、Adam-Gibbs の導出の物理的根拠が不十分で、議論の基礎となっている協調再配置領域(CRR)の大きさが、用いられた実験方法ごとに異なるなど、混乱が生じていました。この論文では、自由エネルギーランドスケープ(FEL)描像に基づいて、CRRの適切な定義を行い、Adam-Gibbs 関係式を再導出しました。Adam-Gibbs 関係式についての混乱が解消されるものと期待しています。ご興味をお持ちの方は
または
からご覧になって下さい。

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コロナ感染状況の分類法を提案した論文が公開 [研究]

出版社の対応が遅く遅れていましたが、須田礼二さんと共著の論文”Classification of the infection status of JCTR2021.jpgCOVID-19 in 190 countries”が公開されました。以下のサイトから自由に見られますので、Supplementary materialsも含めて、是非ご覧になって下さい。この論文で分析したのは2021年2月のデータですので、現在の状況はかなり変わっています。

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波状感染曲線の自己組織化を示した論文が公開 [研究]

Physica A に掲載決定していた論文”Self-organization of oscillation in an epidemic model for COVID-19” (Physic A 573, 1 July, 2021, 125925)が公開されました。以下のリンクから5月12日までは、どなたでも自由にダウンロードできます。
https://authors.elsevier.com/a/1cnic1M2-2Aidv
採録している情報サイト
Semantic Scholar

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SIQRモデル厳密解の論文の掲載号決定,多くの情報サイトに掲載 [研究]

Physica A でオンラインになっていた"Exact Properties of SIQR model for COVID-19"の掲載号が確定しました。
また以下の情報サイトで紹介されています。
IDEAS(the largest bibliographic database dedicated to Economics)
なお、先の論文"Analysis of the outbreak of COVID-19 in Japan by SIQR model "が次の情報サイトでも紹介されています。 LitCovid
COVID-19 Litarature Update
X-MOL

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SIQR モデルの厳密解に関する論文(英語)がオンライン(updated11/25) [研究]

Elsevier の Physica A に投稿していた論文”Exact properties of SIQR model for COVID-19" がオンラインになりました。
この論文のハイライトは
•Exact properties of the SIQR model appropriate to COVID-19 are obtained.
•The peak of quarantined patients appears some time later than the peak of infecteds.
•A theory is given to find out an optimum strategy to control COVID-19.
です。与えられた経済的コストと医療体制のコストのもとで、最適な対策を見つける方法を提案しています。早く収束させるか感染ピークを低くするか、の目的によって、最適な対策が異なることを示しています。厳密な理論の論文ですから少し難しいですが、是非ご覧になって下さい。
    PhysicaA.jpg

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SIQR モデルの論文(英語版)が掲載されました [研究]

Elsevier の Infectious Disease Modelling に投稿していた論文 "Analysis of the outbreak of COVID-19 in Japan by SIQR model" が掲載されました。投稿は6月11日でしたが、2ヶ月間編集者が見忘れていたらしく、8月中旬から実際の査読のプロセスに入り、掲載が決定しました。以下で閲覧は可能です。

Infectious Disease Modelling vol 5 (2020) Pages 691-698
Elsevier の電子ジャーナルに契約している大学などから入らないと印刷が難しいと思います。電子ファイルが必要な方は、メールで連絡頂ければお送りします。
この論文はPMCに採録されましたので
からダウンロード可能になりました。PMC はアメリカの医学関係の論文を集積している機関です。
PubMed Central[レジスタードトレードマーク] (PMC) is a free full-text archive of biomedical and life sciences journal literature at the U.S. National Institutes of Health's National Library of Medicine (NIH/NLM).
また、medRxiv に出していた最初のバージョンがEurope PMCにも採録されました。

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