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専門店の専門書の分類はどうなっているの? [雑感]

DSCN9533.JPG 先日福岡市の中心部に出かけ、久しぶりに大規模書店に立ち寄りました。専門書も揃えている大きな書店で、わたくし自身の書いたあるいは訳した本も何冊か書棚に配架されています。しかし、最近の「社会物理学」(共立出版)、「つながりの物理学」(裳華房)や少し前の訳本「パーコレーションの基本原理」(吉岡書店)が、物理学ではなく数学の棚の並びの「カオス・複雑系」の棚に配架されているのを見て驚きました。これらの本で扱っているのは、少なくともカオスではなく、従来考えられている複雑系とは異なった学問分野です。従来の物理学の概念では理解できない自然現象や社会現象でみられる普遍的性質を、統一的(物理的)に理解するための新しい物理的概念・手法を確立する学問分野ですから、物理学の領域に新しく棚を設けてほしいものです。
 出版社の方によれば、どこに配架するかは書店次第だということです。科学研究費の研究分野の見直しも、時代と遅れてしか行われませんが、書店における学問分野の枠組みはさらに遅れていると感じました。