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COVID-19:新たな段階へ(最後の分析と日本の対策の検証) [コロナについて]

5月5日にWHOが、新型コロナウイルスに関する「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を終了し、日本でも5月8日から新型コロナ感染症の分類が第5類(インフルエンザと同じ扱い)に変更され、今後感染状況に関するデータが得られなくなるので、この3年間行ってきた日本の感染状況の分析もこの報告で一応終わりとなる。一応の区切りとして、最終分析結果の報告と日本におけるさまざまな対策の検証を行うこととする。
Japan8-9waves.png 左図は、昨年10月に始まった第8波と今年4月最初から始まっている第9波の新規感染者数の変化と、各波の感染状況図(横軸のスケールの違いに注意)である。現状は、2021年の夏ころと似ており、非常にゆっくりと変化しながらも、4月以後増加傾向にあり、第9波に入っているとみられる。すでに人々の行動様式が変化し、また連休明けからさらに行動が自由になると思われ、感染者数は確実に増加すると考えられるが、データがとられなくなるため、判断のしようがなくなる。幸い流行している変異体はそれほど重症化させないようであり、また感染者や感染しても無症状で終わった人が相当数いると推定されるので、爆発的な感染は抑えられるものと考えられる。
日本検証.pngこの3年間、政府は様々な対策を行ってきたが、SIR モデルという不適切なモデルによる不十分な解析しか行われず、的はずれの対策が多かった。さらに、メディアの取り上げ方や海外情報の発信が、政府に忖度したものが多く、コメンテーターや素人のはずのタレントや一般人までもがヒステリックにその後押しをしていた。例えば、根拠のないデータでPCR検査に反対していた人々が、PCR検査より精度の劣る抗原検査には沈黙していたことは、彼らの主張が政府の方針を後押しするだけのものであったことを物語っている。オリンピックのころには、感染者数を少なく見せるためのデータの恣意的な発表が行われたりもした。新型コロナ感染症は、①発症前の感染者、無症状の感染者も感染力をもつ、②発症者は、死に至る重篤な患者から無症状で終わるものまで幅広い、③後遺症が長期間に渡り存在する人が多いなど、インフルエンザとは異なった特徴があることが知られているが、第5類への移行の根拠が示されていない。表に、不適切であった対策とその評価をまとめておく。
 東日本大震災・福島の原発事故、そしてコロナ禍を経験した今、日本は「観光立国」という後進国ではなく、「食糧・エネルギー」を自給できる自立した国に改造・再建することを目指すときであろう。