SSブログ

7日間移動平均の落とし穴 [コロナについて]

COVID-19の日毎陽性者数などの実データの解析に、7日間移動平均が良く用いられ、その動向から政策が決められています。これは、曜日によるデータの変動を平均化してみるために用いられている手段ですが、この手法が信頼できるのは実データが平均的に増加あるいは減少していないときのみです。実データが平均的に増加しているとき、あるいは減少しているときは、最大値が小さく、最小値が大きくなると共に、その傾向は3.5日遅れて現れますので、7日間移動平均に基づく政策判断は遅れることになり、ひどい場合は判断を誤ることになります。例えば下の左図の沖縄県の2月17日までの感染状況の実データは、下げ止まりの状態からやや増加に転じているように見えますが、7日間移動平均はなお減少しているように見えます。右の図は、振動する実データのモデルでこのことを示したものです。実データの周期は31.4日で、7日間移動平均も同じ周期ですが、ピークの位置、最小となる位置が3.5日遅く現れなす。特に最小点付近では実データが増加に転じていても、7日間移動平均はなお減少している期間があることに注意する必要があります。7日間移動平均を常に3.5日戻して考えれば良いのですが、政策決定される方々が正しく判断されることを望みます。
 沖縄ー2-17.png  7MAVE-model.png

nice!(0) 

nice! 0