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コロナの現状(2023年4月17日) [コロナについて]

world2023-4-10.jpg 左の図(WHO)に示すように、今年に入ってコロナの新規感染者数はかなり減少しています。日本の感染状況も、左下に示しますように、第8波が終わり、かなり安定しているように見えますが、この10日間ほどは微増傾向ですので、予断を許しません。是非政府で抗体検査を行って、集団免疫の状態になっているか否かを確認してほしいと思います。60%くらいの人が免疫を持っていれば、第9波に進むことなく、収束が期待できます。
japan8-9wave-fit.png   この3年間のコロナ禍で、観光立国を掲げる日本の脆弱性がはっき りしましたので、今こそ次のパンデミックに耐えられる国造りをすべきと思います。とりわけ、日本が緑に覆われていることを利用して、食料、エネルギーを自給・自足できる仕組みを考えるべきです。
 コロナ禍を教訓とせず、観光立国、とくにカジノを含む統合型リゾートは、時代に逆行する最悪の計画だと思います。

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ゴムの異常な熱・力学効果に関する論文が公開 [研究]

23JPSJ.jpg風船などのゴムを急激に引っ張ると温度が上がることはよく知られている。例えば、ゴム風船の両端を持ち、あごに当てると少し冷たく感じる(室温の方が体温より低い)が、そのままゴムを急に引っ張ると暖まることがわかる。また伸ばした状態であごに当て、急に締めると、温度が下がることが確かめられる。これを、ゴムの熱・力学効果という。
最近、阪大の松尾名誉教授らが精密な測定を行い、ゴムを急に引っ張った初期過程では温度が降下することを発見した。この異常な熱・力学効果を単純なゴムの折れ尺モデルで説明した。折れ尺の結合部分に、折れ曲がる方がエネルギーが低いという特徴があれば、伸張初期に温度降下が生じることを示した。単純なモデルであるが、実験結果をフィットできる。

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コロナに関する新しい論文がSpringer Nature で公開 [研究]

Nature2023.jpg
 パンデミックCOVID-19 に対する新しいコンパートメントモデルの論文がSpringer Nature(Scientific Reports: 電子版Nature)に掲載されました。市民を、未感染者(S),発症前感染者(P),無症状感染者(A),隔離感染者(Q)と回復者(R)の五つのコンパートメントに分けるSPAQRモデルです。感染経路不明者の割合から、発症率や市中感染者の割合などを求めることができるモデルで、今後COVID-19の標準的なモデルになると期待しています。
 日本の現状は、第8波以後新規感染者がかなり低いレベルで推移していますが、この状況で無症状感染者を徹底的に見つけ出せば、第9波には至らないと思われます。また日本の人口のかなりの割合で感染があったと考えられますので、集団免疫がなりたっていると想像できますが、その確証を得るために、全国的な抗体保持率の調査が望まれます。

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驚きの連鎖事象:日経の春秋(3月29日)のこと [雑感]

昨日、いとこの娘さんから「高橋和巳のことが日経の”春秋”にでてるえ」と電話があった。このコラムは、読売新聞の2023年2月14日 朝刊 読売歌壇に掲載された
「高橋和巳全集」を書架より外す 青春にいざさらばする友
という短歌と、「作者や友人はどんな日々を過ごし、今に至ったのだろう。」ということから話が展開されている。この短歌が生まれるきっかけを作った当人として、驚くべき事象の連鎖を記しておく。
 ことの発端は、私が継承しているいとこの作家 高橋たか子(高橋和巳の夫人)の実家の遺品整理である。その遺品のことが京都新聞で取り上げられ、それをきっかけとして私が高橋たか子・高橋和巳のことを大学の同窓生とのzoom談話会で話した。参加していた同窓生の一人K氏は、「断捨離の際に高橋和巳全集を捨ててしまった」と言うことだったが、K氏はその談話会のことを幼なじみのKさんに話をされた。Kさんは、「高橋和巳全集を捨てる」ことがその友の青春への訣別であることに思いを致し、上記の歌を詠まれたと言うことであった。この短歌が日本経済新聞の記者の目に触れ、春秋のコラムが書かれた。この事象の連鎖は、まだまだ続くのであろうか。
Kさんの上記の短歌を読んですぐに
書架うめし 高橋和巳 全集を 下ろしし友の 春は新たに
という歌がほとばしり出た。

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政府の原子力エネルギー政策批判 [オピニオン]

現政権は、時代に逆行する原子力エネルギー政策を強行しようとしている。未来の人類に禍根を残さない為に、現在進めようとしている政策を撤回すべきだ。
1)汚染水の海洋放出はすべきではない
地球上に出現した生物の中で、地球環境を破壊した生物は人類以外にはない。産業革命以後、人類は地球環境に不可逆的な汚染を行ってきた。化石燃料の排ガス放出による地球温暖化、プラスティックー・マイクロプラスティックによる海洋汚染、環境ホルモン放出による環境汚染など、これらの汚染は、回収不能であるにもかかわらず、汚染物質を自然界に放出したことによる。汚染水も一旦海洋放出されると、改修不可能であり、長期的効果が評価できないトランスサイエンスの問題である以上、海洋放出はすべきではない。
2)老朽化した原子炉は再稼働すべきではない。
原子炉の格納容器は、核反応で生じる高速粒子により空孔ができ、劣化することが知られており、亀裂があれば地震などによる圧力がかかると容易に破壊する。稼働中であれば、メルトダウンにつながる。放射性廃棄物やプルトニウムの処理法がなく、原子力は現代科学が未来に残す最大の負の遺産である。老朽原子炉の再稼働や新型の原子炉の開発ではなく、木材などの自然エネルギー、再生エネルギーを主要エネルギー源とする社会の構築に舵を切るときである。

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日本学術会議問題の本質 [オピニオン]

 管前首相の会員任命拒否(安倍元首相の方針通り)に始まった日本学術会議問題は、会員以外の委員の入った選考委員会による会員選出を柱とする政府方針が出され、その方向で決着しそうな状況である。しかし、この30年ほどの間に教育・研究現場で経験してきたことや、研究力の衰退の現実をみると、日本が抱える科学/技術/教育/研究の問題の本質が、単に学術会議の会員選考方法ということではなく、1990年代から始まった教育/研究の国による支配を完結させる事にあることが分かる。すなわち、「日銀は政府の子会社だ」という安倍元首相の言い方をすれば「大学・研究所は政府の子会社だ」、「科学者はその従業員だ』という立場を政府が取っていることが、問題の本質である。科学/技術に関する総合的、基本的政策は、平成13年から日本学術会議ではなく、内閣府に置かれた総合科学技術会議(後に総合科学技術イノベーション会議)で決められるようになっている。さらに、国立大学の予算や私学助成の傾斜配分、軍関係の研究費の大幅な増額、キャリアパスが明確でない任期付き教員/研究員の増加などが学問の自由を奪い、また研究者という職業を夢のないものとし、研究者を目指す若者が減少したことにより、日本の研究力の大きな減退を引き起こしている。
 科学者が国民から期待されるのは、政府の方針に従うのではなく、科学的知見に基づき、政府の方針でも批判すべきものは批判することであり、学術に携わる者の組織は直接国民に対して責任を負うものでなければならない。これは、近代の歴史の教える所であり、日本が身を以て学んだことであろう。

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第18回松ヶ崎サイエンスフォーラム:ワクチンが感染を広めた? [講演会]

第18回松ヶ崎サイエンスフォーラムが下記の通り3月18日に開催されます。

須田礼二さんが、世界の感染状況精力的に分析され、ワクチンのブースター接種の接種率と、感染率が正に相関している驚くべき結果を示されました。きわめて興味深い結果です。以下のリンクから参加登録され、この土曜日の講演会にぜひご参加下さい。

 

参加を希望される方は、以下のリンクより登録をお願いいたします。

Webexのリンクが自動返信メールで送られます。

https://forms.gle/z5jQdRp4FUfA4rW2A

第18回 松ヶ崎サイエンスフォーラム2023.3.18)案内

 

日時:3月18日(土)10:0011:30

場所:オンライン(Webex)

 

講演者:須田 礼二 氏(SIQRモデル研究会)

タイトル:ワクチンが感染者を増やすのか、190ヶ国のデータから見えてきたもの

ーSIQRモデルによる世界の感染動向とワクチン接種状況の検証報告ー

 

講演概要:

本講演では、感染症の新しい物理モデルであるSIQRモデルにより世界のコロナ感染動向を分析するとともに、新ワクチンの接種状況を検証した結果を報告する。当初、新ワクチンは発症と重症化の防止効果はあるが感染防止効果は不明とされており、実際に感染防止にどの程度寄与したかについて検討した。感染期間をワクチンの未接種期間と接種期間に分けて190ヶ国のデータにより考察したところ、世界の感染者数は接種期間で未接種期間の6.8倍に拡大し、大陸ごとにみてもヨーロッパやオセアニアなどで顕著な感染拡大傾向を示すことが分かった。ワクチン接種率合計100%以上で累積感染率10%以上の条件を満たす68ヶ国は全大陸に拡がっており、ブースタ接種開始の数ヶ月後に感染急拡大する国が多くみられた。また、ヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアでは最大感染波のピークは20221月中旬に集中していることが判明した。接種率の低いアフリカを除く大陸でほぼ同時期に起きていることから、最大感染波の発生要因にはワクチン接種、特にブースタ接種が大きく関わっていることが推察される。

 

 

問い合わせ先:水口朋子(京都工芸繊維大学)mizuguti@kit.ac.jp




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「社会物理学」の再版決定! [著作]

SocioPhys.jpg  昨年10月に刊行されました「社会物理学」(共立出版)の初版は、3ヶ月でほぼ売り切れ、現在第2版(いくつかのミスプリなどを修正)が準備されています。これまでの専門書では、初版が数ヶ月で売り切れたものはなく、驚くと共にこの分野への関心の高まりを知り、大いに励まされています。
 前のブログ(2月7日) に書きましたように、世界は人類が絶滅に向かうか永続するかの分岐点にあり、日本もまた多くの問題を抱えています。(1)地球環境を保全できるエネルギー利用の基本的考え方の構築、(2)少子化問題や犯罪増加と格差社会の構造、(3)情報化社会における教育のあり方、(4)過疎化・低い食糧自給率・国の未曾有の債務残高など これらの問題は、本書で解説されている社会物理学の手法を用いて、解決する方向性を探ることが可能だと思います。本書が、そのような研究の礎になることを期待しています。
#社会物理学

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政治の貧困ー本質が見えない政権ー とコロナの現況2023.2.5 [オピニオン]

最近の政権の政策は、国会の審議を経ることなく決められ、その中身は「貧困」に尽きる。
[1] 防衛政策:アメリカ大統領訪問の手土産のためか、岸田首相は敵基地攻撃能力と防衛費の増額を国会の審議無く決定した。「防衛費はGDPの2%が世界の標準」という意味の無い根拠をもち出しての増額である。G7の中でこの比を越えているのは、アメリカ(3.48%)とイギリス(2.14%)だけであり、以下フランス(1.92%),iイタリア(1.52%)、カナダ(1.33%)、ドイツ(1.31%)(日本は現在日本1.10%)である。GDP上位11ヶ国で防衛費の多い国は、ロシア(3.71%) ,韓国(2.77%)、インド(2.41%) であり、軍事的緊張の高い国である。GDP比を持ち出して政策を決めるなら、世界最低レベルの食糧自給率や世界で突出している債務残高を世界と同じレベルにする政策を行うべきであろう。
[2]経済対策:「新しい資本主義」を掲げてきたが、結局は「企業に賃上げをお願いする」ことがその中身にしか見えない。日本の困窮の根本的原因は、直面している上級と下級に分断されるギャップ型格差、さらにその格差が広がっていることにある。この雇用構造は、非正規雇用の導入から始まったものであり、さらに立国の精神がいつの間にか「科学技術」から「観光」に変えられたことによる。緑豊な日本で、食料・エネルギー自給を達成する産業・農水産業構造こそが求められている。
[3]少子化対策:広がった格差社会の中で、二人の収入を合わせても、子供を育てられない人々が沢山いるのが現状であろう。さらに出産育児期間の収入の保障とその後の雇用の保障が、基本的政策であるべきであり、子ども手当だけでは根本的解決にならない。
[4]エネルギー政策:10年経って福島の事故を忘れたのか、老朽化した原発の継続使用、新しい「安全な???」原発を開発するという。小泉元首相のように、原子力を利用すべきではないというこの70年の教訓に学ぶべきである。
[5]コロナ対策:従来知られていた感染症に基づいた感染症法の分類に従って、全く新しい性質を示すコロナ感染症を2類から危険性が最も低い5類にするという。コロナウイルス感染者には、無症状で終わる人から重篤な肺炎を起こして死亡する患者まであり、また無症状の感染者からの感染があるという特徴をもっている。誰もが感染対策をしなくなると、コロナが無症状者の広げる高齢者のサイレントキラーになることが危惧される。これが、岸田政権の高齢化社会対策ではないことを願う。
7-8wavesblog.jpg 最後に、第7波と第8波の2月5日時点の解析を示しておきます。全数把握がやられていませんので、どれだけ実数を反映しているかが分かりませんが、傾向は見て取れます。第8波はゆっくりした増加と急劇な減少というかなり変わった振る舞いをしており、これから3,4月にかけて第9波が予想されます。

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社会物理学研究会(2022.12.10)での講演ビデオ公開 [講演会]

2022年12月10日に行われた社会物理学の研究会で行った講演の内容はすでにブログ(2022.12.28)で報告していますが、明治大学のMIMS 現象数理学研究拠点から講演のビデオがyoutube にアップロードされました。
次のURLからご覧になって頂けます。

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