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無症状感染者数を推定する方法 [コロナについて]

日々報告されるデータの中の感染経路不明者の割合 f から、市中に存在する感染力もつ感染者N(無症状+発症前+隔離前発症者)の数を推定する理論的枠組みを作りました。基本的な仮定は、感染経路不明感染者=無症状者からの感染者、感染経路判明感染者=発症しているおよびいずれ発症する感染者からの感染者 です。保健所が頑張って調査し、人々が協力的であれば、それほど悪くない仮定と思います。感染力をもつようになってから隔離されるまでの日数を d、日々陽性者数をQとすると、N=Q*d/(1-f) が示されます。東京では f=50~60%ですから,d~3~4日程度とすると、市中で感染力を持つ感染者数は、日々陽性者数の6~10倍になります。現在のように日々陽性者数が増加傾向にある場合、その増加率を掛けた値になります。今日のように3177人の新規感染者の場合、市中には2~3万人の感染力を持つ無症状感染者がいることになります。この人達の75%くらいは発症しますが、25%くらいは発症せず、感染だけさせることになります。このように無症状感染者や発症前感染者を野放しにしていれば、いくら人流を抑えても感染の拡大は抑えられません。また、この理論の中で、ワクチンの効果よりも、PCR検査によって、広く無症状感染者を日々減らすことの方が効果的であることが示されます。論文はプレプリントサーバーからダウンロードできます。

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