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市中感染者数と感染経路不明者の割合の関係を論じた論文が公開 [コロナについて]

市中感染者数と感染経路不明者の割合を論じた論文"Estimation of the Onset Ratio and the Number of Asymptomatic Patients of COVID-19 from the Proportion of Untraceable Patients"がEpidemiology and Public Health Research(Open Access Journal) で公開されました。
4人の査読者により、厳格に査読されました。5月3日のブログで述べた内容は、この論文の考え方に基づいています。論文は、
からもダウンロードできます。

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4月末までの感染状況と新規感染者数が一定になる条件 [コロナについて]

4月初旬からの新規感染者数の増加は、すぐ減少に転じ、大きな波にはならなかったようです。感染状況図の小さなループを波とみるかどうかは今後の変化次第になります。またこの解析は、連休中のデータは不正確と思われますから、4月30日までのデータを用いています。
japan~4-30-2022.jpg この2週間ほど新規感染者数はほぼ横ばいになっていましたが、それはウイルスの特徴と人々の行動がうまくバランスしていたことを意味します。ある人が感染し、感染力を持つ発症以前の日数を m とします。ウイルスの発症確率を x とすると、この人は(1-x) の確率で無症状のまま感染させ、その感染力がなくなるまでの日数を n とします。この人が感染力を持つ間に1日あたりβ人に感染させるとしますと,この人は全期間に
  β*(m+(1-x)n) 人
に感染させます。この人数が1人の時に感染者数は定常状態となり、1以下の時に減少、1以上の時に増加します。つまりこの量が、実効再生産数の役割をします。(普通のSIRモデルでは、β*回復するまでの日数が実効再生産数と定義されます。) m~4日、n~6日、x~0.75 としますと、β~0.18 が分岐点になります。どのパラメータもウイルスの特性によりますが、さらにβは人々の感染対策(他の人との接触頻度、マスク着用など)で大きく変化します。この条件は感染者数が多くても少なくても成り立ちますから、感染者ができるだけ少ない状態でこの定常状態となる、あるいはさらに減少させる対策が必要です。今週の連休では、何の規制も行われていませんから、連休後の状況を注視する必要があります。

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