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新型コロナに関する論文(改訂版)が電子ジャーナル掲載 [研究]

先に公開しておりました「新型コロナウイルス蔓延に関する一考察」の改訂版(v3)が物性研究(電子版)に掲載されました。(6月22日にv5 に差し替)


プレプリントに対して頂いた多くの方々の意見は、この論文の改訂に大変参考になりました。この場で、御礼申し上げます。隔離率をquarantine を反映させて、p からq に変えました。また隔離感染者の治癒時間と市中感染者の感染力のなくなる時間の区別は大切ですので、記号を変えました。パンデミックの解析に必要なのは、(5)式だけですが、この差はモデルの考え方には重要な役割をします。

まとめの節の考察で加えましたように、従来より伝染病対策は発症した感染者を街から取り除いて、新規感染者が出ないようにするというものでした。法定伝染病に対する考え方ですが、今も生きていると思います。政府が新型コロナウイルスによる感染症を指定感染症としたのは、そのためのはずです。新型コロナウイルスでは、発症した場合は検査によってある程度の確信を持って隔離できるだけでなく、他の伝染病では見られない無症状感染者を検査で発見して、隔離できるという特徴があります。論文は、数理モデルを用いて、その隔離の大切さを改めて明らかにしたに過ぎません。クルーズ船の時の対応も分かりにくかったですが、いつのまにか検査/隔離は、重症になりそうな人を早く見つけ出して治療するためのものに変わり、できるだけ普通の人は検査をしない方針に変わりました。その後、自宅隔離やホテルなどでの隔離の仕組みが作られ、多くの専門家が検査/隔離の体制構築が大切だと言われています。政府が、真摯にこの声に耳を傾けて、本来の伝染病対策に戻ってくれることを願います。

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