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マイナンバーカードについて [オピニオン]

「カードを申請したらポイントを付与する』という量販店の安売りのようなことをしても申請者が増えず、ついに健康保険証と合体させて、強制的にカードを取得させる政府の方針が決定し、半ば強制的にマイナンバーカードを取得させようとされている。
 マイナンバーは、国民一人一人に付与された12ケタの番号のことで、個人情報を1元管理し、カードがあればコンビニでも戸籍謄本を交付してもらえる(対応可能な自治体のみ)と説明されている。つまりこの番号は、最も基本的な戸籍と住民票に結びつけられているということであった。
 マイナンバー制度が始まって1年ほどたった2017年の夏のことであるが、全くがっかりさせられることがあった。私は、学会参加のためにポーランドのクラコフ滞在中に、パスポートを紛失した、ワルシャワの大使館に電話し、「マイナンバーおよび日本の免許証をもっているので、大使館で戸籍などの情報を取得してくれるように頼んだ」が、どちらを使っても大使館では戸籍を取得できないということであった。結局、友人に代理を頼んで市役所で発行してもらい、それをスキャンして、電子メールで送ってもらい、ホテルで印刷して大使館に持参した。このように真に個人情報が緊急で必要なときに、公的機関がそれを取り出せるような仕組みが必要ではないだろうか。そして大事なのは、「番号」であって「カード」ではないはずである。
 実際、私はアメリカに渡った1979年にソーシャルセキューリティー番号(SSN)をもらった。アメリカ市民でなくてもアメリカでの給与所得を得る人は、この番号をもつことが義務づけられている。その番号は、車の免許証の番号になり、州を移っても番号は変わらない。また、税金の申告書にも必ずその番号を記入するし、不動産の売買にもその番号が必要であった。さらにアメリカの国民年金がその番号で支払われており、コロナ対策の支援もその番号で交付されている。ちなみに、アメリカでもらったのは小さな名刺サイズの紙に書かれた番号のみであり、番号だけで全てが機能しており、「ソーシャルセキュチティーカード」を作れという話は、アメリカではないものと思う。
 日本でも、番号があるからこれだけ便利になったという仕組みをまず作るべきではないだろうか。

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