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COVID-19に関する政府の現状認識の疑問点 [コロナについて]

政府は、現在発出されている首都圏の緊急事態宣言を、期間最終日の3月21日に解除することを決めました。そもそもその宣言の下での対策が、レストランなどの時短要請だけだったので実質的影響は少ないでしょうが、人々の緊張感を緩める効果は見逃せないでしょう。同時に決定された総合的対策の5つの柱は、現在の感染者数を減らす努力ではなく、ワクチン頼みの施策としか言えず、第3波より大きな第4波を想定しているようにも見えます。各柱の問題点について、これまでの日本や世界の感染状況の分析から得られた知見に基づいて考えてみます。
飲食を通じた感染防止:飲食の場での感染が多いことは事実ですが、時短効果は限定的でしょう。むしろ、テーブル数を減らす、あるいは欧米のようにテーブルを道路に出すなど、客同士の距離を十分取ることと、さらに重要なのは、従業員全員が陰性であることを定期的に確認することだと思います。また、これらの対策は、朝も昼もやられるべきでしょう。
変異したウイルスの監視体制の強化:現在の5~10%の検査が、モニタリングのためのものならば、感染者数としては実数の10~20倍となる推定数を発表するべきでしょう。変異株への感染を本当にコントロールしたいのであれば100% の検査が必要なはずで、検査数を制限すれば昨年春のPCR 検査を抑えて失敗したのと同じ道を辿ることになります。
感染拡大の予兆をつかむための戦略的な検査の実施:無症状者のPCR検査は意味が無いと言っていたこれまでの考え方を変更したのであれば評価できますが、「感染源」を特定するためのモニタリング検査という考え方は、これだけ市中感染者が広がっている現状では、ほとんど役に立たないでしょう。アメリカの多くの大学で昨年夏頃から行われている(無料)ように、「無症状感染者を見つけて隔離するために検査をやる」と言う考え方を何故採用しないのか不思議です。収束させている国では、1人の陽性者を見つけるのに、1000人近い検査をやっているところもあり、そのような国を参考にすべきでしょう。
安全で迅速なワクチン接種、▽次の感染拡大に備えた医療体制の強化:これらは、昨年から言われてきたことで、今更なんで?という感覚をお持ちの方も多いでしょう。しかし、しっかりした医療体制は必要ですが、その前に、単に「なんとしても収束させる」という決意表明だけでなく、具体的に感染者を増やさない取り組みをやるべきです。
政府や分科会から出てくる説明を聞いていると、どこかにウイルスの発生源、「屋形船」「夜の街」「接待を伴う飲食」「会食」最近は「昼カラオケ」があり、そこを抑えれば感染防止になるという考え方に見えます。ウイルスは、知らずにその場所に持ち込む人から広がるのであり、市中を動き回っているその感染者を隔離しない限り、収束させることはできないでしょう。また、過去7日間の平均で政策が判断されることが多いようですが、増加期も減少期も変化は常に数日遅れることになるので、対策が後手に回ることになります。

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