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「気候を変える、気象を操る」朝日新聞の記事に驚愕 [オピニオン]

 朝日新聞9月16日朝刊23日朝刊の教育・科学欄に、嘉幡久敬記者のチームが書かれた『科学とみらい』で、人工降雨と人工寒冷化計画(スコーベックス)が取り上げられている。中でもスコーベックスは、成層圏に炭酸カルシウムなどの粉をまいて、太陽光を遮り、気温上昇をくい止めようという計画である。火山噴火で同様のことが起こるから、自然破壊ではないという理屈が述べられるが、とんでもないことである。自然に起こることを人工的に起こせば、自然の負荷はそれだけ増加し、場合によっては非可逆的変化を与えることになる。トリチウムを含む汚染水の海洋投棄やプラスチック製品の投棄はその典型例である。
 日本では、環境に優しいエネルギー源として、太陽エネルギーが着目され、山林や田畑をメガソーラーにどんどんと変えられている。電気エネルギーを得るための環境破壊は、化石燃料による地球温暖化と同様に地球の持続性を損なうものである。地球の生物圏は、太陽エネルギーを源として、発達してきたものである。地球に降りそそぐ太陽の光のエネルギーは、地球上で、①蒸発した水の位置エネルギー、②上昇気流から生じる空気の運動エネルギー、③帯電した雲の静電エネルギー、④光合成によるデンプン、タンパク質およびセルロースの化学エネルギー、として蓄えられている。これらを最大限活用する仕組みこそが、持続すする地球の姿であろう。特に④のエネルギーは、動物が食べる食料、さらにその動物を食べる人類他の生物のエネルギー源となっており、セルロースは、材料として活用されてきた。安定して持続すす地球環境は、①~④の形のエネルギーの蓄積にのみ依拠することによって初めて達成される。特に④に重点をおけば、前世紀の石油化学ではなく、今世紀はセルロース・デンプン化学の発展が必要となる。
 今、前世紀から目の当たりにしてきた惨劇に人類が学ばなければ、人類の世は地球環境を破壊し尽くして、終演することになろう。

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