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日本のコロナ対策と科学倫理・科学リテラシーについて [コロナについて]

今朝7月31日の朝日新聞朝刊に、驚くべき記事がありました。2面左側の中ほどに、菅首相周辺が、「官邸に楽観シナリオが集まるのは”首相がそういうデータを出せ”というからだ」と説明している、と書かれています。パンデミックへの対応には、科学的手法により現状を正確に分析し、科学的理論に基づいて予測を立て、最善の対策を実行することが必要であることは、言うまでもないことです。菅首相の発言が事実であり、周辺の研究者やシンクタンクがそれに沿ったデータや予測を提出しているならば、それはれっきとした研究不正で、研究倫理に反するものです。これまでも研究において、大きな予算を取った教授が、「このような結果になるはずだからそういうデータを出せ」と大学院生に求めて、データの改ざん、捏造が行われてきた研究不正が摘発され、研究者には研究倫理教育が求められています。官邸スタッフ、その周辺の研究者、シンクタンクには、研究倫理教育が必要でしょう。
また、政府中枢におられる方々の「科学リテラシーの欠如」「科学的な論理思考力の欠如」は目に余るものがあります。感染力を持つ感染者を隔離するために、検査が必要であることは、昨年3月頃からよく言われてきた科学的事実であり、世界中で実行されています。昨日、尾身分科会会長が「検査の拡充」を言われていましたが、その事実を理解するまでに1年以上かかったのは全く理解できません。科学的事実ではなく、別の基準に基づく判断をされていたとしか考えられません。第5波を早急に収束させ、安心できる社会を継続するためには、7月28日のブログで述べましたように、無症状な感染者を徹底的に発見・隔離する仕組みを作ることが必要です。

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