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SIQR モデルについて [研究]

SIQRモデルを用いた日本におけるCOVID-19の感染状況の分析をまとめた英語論文を書き、プレプリントをmedRxivとResearchGate に上げました。この研究は、4月18日頃から始め、他の文献にほとんど当たることなく、独自のアイデアで思いついたもので、日本における感染の状況の理解と収束させるための対策の評価を主要目的として行ったものです。感染症の専門家から「21世紀型の感染症モデル」と言われたりしていましたが、まさかと思っていました。プレプリントをアップロードしたところで少し文献を調べてみると、案の定2002年にすでにSIQRモデルが考えられていました。最初の頃の研究では、長時間における振舞いのみが解析されています。今年の3,4月の研究(プレプリントのみ)は各国の感染初期データの分析から、その後の感染曲線を予測することに重点が置かれていますが、収束させるための様々な対策としての検証はほとんど行われていません。ただ、政府が3月頃に目指していた感染曲線のピークを下げるためには、ロックダウンだけでなく感染者の隔離が大きな効果を持つことは、10年以上前から知られていたことになります。これは謂わば「守りの対策」になりますが、私の考察は「攻めの対策」として、検査・隔離体制の強化を主張するものです。

長時間経過した後の平衡点の分析や感染曲線に対する隔離の効果:

・H. Hethcote, M. Zhien, L. Shengbing, Mathematical Biosciences 180 (2002) 141–160

・W. Jumpen, B. Wiwatanapataphee, Y.H. Wu, I.M. Tang, Int.J. Pure & Appl. Math. 52(2009) 247-265

アウトブレイク初期の解析とその後の振る舞いの予測:

・イタリア:M. G. Pedersen, M. Meneghini, ResearchGate(結論はSocial distancing が大切)

・インド:  Alok Tiwari, medRxiv(感染曲線に興味)

・スウェーデン:L. Sedov, A. Krasnochub, V. Polishchuk, medRxiv(ドローンによる検査で感染曲線を下げる)


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