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解説:高校生と大人のためのコロナ対策 [アウトリーチ活動]

パンデミックの時間発展は、集団免疫による沈静化を議論しない限り、簡単な指数関数で表せます。コンピュータ上でグラフを図示するソフト gnuplot で感染者数の推移を見て、どんな対策が良いかを考えてみて下さい。

時刻0における感染者数を100人として, 政府の仮定していたパラメータを用いると、時刻 t (日)における感染者数は指数関数f(t) = 100*exp[(0.5*(1-a) - 0.15*b - 0.05)*t] で表されます。第1項が新規感染者数による増加、第2項が隔離(病院/ホテル/自宅)、第3項が治癒(20日掛かる)による減少を表しています。R=0.5/(0.15+0.05)=2.5 が実効再生産数です。a は、接触自粛を求められる割合を表し、a=0が何もしないとき、a=1 がロックダウン(都市封鎖)を表します。 bは、隔離する効率を表し、b=1 が検査数を変化させない場合、検査/隔離を増やして隔離できる人を2倍にすると b= 2 になります。次の5つの場合について、この関数f(t)を0<t<10において図示して下さい。

(1) a=0,    b=1:指数関数的に増加するオーバーシュートを表します。

(2) a=0.8, b=1:8割接触自粛(隔離は同じ割合)の場合

(3) a=1,    b=1:ロックダウン(都市封鎖)(隔離は同じ割合)の場合

(4) a=0.5, b=2:5割接触削減、検査/隔離を2倍にする場合

(5) a=0.5, b=4:5割接触削減、検査/隔離を4倍にする場合 

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政府は(2)の政策を採りました。接触自粛による社会的影響と隔離された人への支援体制や、重症者への治療体制などを考慮して、市民生活を守りつつ、速くパンデミックを収束させる方策を考えて下さい。

新型コロナウイルスとの戦いは、多くの国で見えない敵との戦争と位置づけ、大統領/首相を総指揮官として、国を挙げての取り組みが行われています。上の計算で分かりますように、検査/隔離する体制を構築して、できるだけ多くの感染者を隔離(自宅隔離を含めて)すれば、パンデミックの収束を早められることになります。これは、昔から行われていた伝染病対策と同じことです。緊急事態宣言発出の決定において、政府は当然このようなシミュレーション結果を見せられていたはずです。その中で、(2)の政策を採ったのは、総指揮官の責任です。PCR 検査を受けらずに、あるいは受けられても手遅れになって亡くなった方が何人もおられ、多数の失業者と多数の倒産者を出した責任は、当然総指揮官がすべて負うべきものです。PCR 検査によって判定された陽性者や死者の数は、感染を抑えられたことを表しているものではなく、そのように見せかける検査体制を取っていたことによるものであり、そのような見せかけを「日本モデル」として誇らしげに語る総指揮官は、万人の信頼を失うことになります。新型コロナウイルスは、肺炎だけでなく血栓症を起こすことが分かってきており、検査を受けられずに市中に残された感染者の中で、どれだけの方がコロナ関連の死因で亡くなったのかを是非明らかにして頂きたいと思います。ドイツなどではPCR検査陽性者数と市中感染者数は、それほど乖離していないと考えられますが、日本では少なくとも10倍ほど違っています。東京都の抗体検査の結果からは、およそ20倍の感染者がいたと見積もられており、現在の世界のトップ10に入る数の感染者がいたと考えられ、日本のあらゆる数値が低いのは、PCR検査数を除いて、全て見せかけに過ぎないと思います。


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